最近Youtubeネタのサルベージばかり。
本谷有希子さんの『江利子と絶対』を読了。日曜の午後、3時間弱で読めました。この人は『劇団、本谷有希子』の主催者で脚本・演出をされていて、舞台を見た友人から、かなり良かったと聞いていたので、買い置きしてあった次第です。で、感想はというと・・・いろんな意味で興味深かったです。

江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)
本谷 有希子 (2007/08/11)
講談社
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話はかわりますが、漫画家の山本直樹という人は、おそらく一般的には映画化された『ぼくらはみんな生きている』や、『ありがとう』なんかが有名だと思うけど、この人はこれら長編より、短編の方が圧倒的にクオリティが高い。文学の世界で言う短編の名手というに相応しい人だと思っています。というより、むしろ長編は苦手なんじゃないだろうか。近作の『ビリーバーズ』は中編(上下巻)ですが、そのくらいまでの尺の作品での、ストーリーの持っていき方や飛び方、仕掛けの面白さは抜群です。そのテイストの面白さの秘密は、おそらく文学や映画、演劇的手法を漫画に持ち込んでいることだろうと、かねがね思っていました。どのくらいかねがねかというと、まだ山本直樹氏が『森山塔』名義でいわゆる“成人漫画”を量産されていた頃からです(20年くらい前)。なにしろ成人漫画だから、主題はもちろん“エロ”なんですが、にもかかわらず、『ホテル・ニューハンプシャー』や『ガープの世界』のジョン・アービングや、『スローターハウス5』や『猫のゆりかご』のカート・ヴォネガット・ジュニア的なテイストであったり、引用があったりと、当時、そのあたりが気になって読んでても“エロ”どころではありませんでしたよ(笑)。研究所の爆発で母を亡くした姉弟が、空を飛ぶヘリを見上げて『あれは、ヘリコプターじゃない。ヘリコプターに姿を変えたお母さんなんだ。』とか(若干違うかも)。
話は逸れましたが、本谷さんの『江利子と絶対』を読み終え、一番に感じたのは『この人はとっても山本直樹に影響を受けているな』です。もう、話の持っていき方、キャラクター作り、そこでおきる事件の随所に山本テイストが。とすると、本谷さんがアーヴィングやボネガットの影響下にあるのではという話なんですが、そうではなく、やはり山本直樹の影響下としか思えない。文学が漫画に影響を与え、漫画が文学に影響を与える。こういうと、批判がましく聞こえますが、僕はそれはすばらしいことだと思うんですけどね。漫画より文学の方が“高級”だと思っている人が言えば、批判なんでしょうけどね。結論としては、単純に面白かったので他の作品も読んでみようと思います。と、ここまで書いて、上のリンクをするためにAmazonで本谷さんの作品を検索したら・・・
なんと、山本直樹氏がカバー絵を(笑)。確信犯だったわけですな。

BLUE
山本 直樹 (2006/07/20)
太田出版
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山本直樹氏の初期短編集(復刻版)にして、全国初の有害図書指定を受けたことでも有名なこの『BLUE』の表題作の中で、盗難車で逃避行をする高校生の男女が、トレーシーチャップマンの『Fast Car』がカーステレオから流れる中で会話をするシーンは、何度読んでも鳥肌が立ちます。話ているうちに、曲は『みちのく独り旅』に変わるんですけどね(笑)。
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Author:masa
芦屋と京都を軸に徘徊。
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