Snow Soul Records

最近Youtubeネタのサルベージばかり。

フォービデン・ゾーンその2

2007.09.05

category : art

このままこの話を続けていいものかどうか一抹の不安はあるが、続けます。何はともあれ、この映像を見ていただきたい。



なんとなくフォービデン・ゾーンという映画がどんなシロモノか伝わっただろうか?これが延々このテンションで一時間強だ。しかも夜中の二時に。眠気も吹っ飛ぼうというものだ。限りなくチープで、極めつけにバカで、下品の極北。なのにどうしようもなくポップで、どうしようもなくカッコいい。今まで沢山の“カルト”と呼ばれる映画は見てきたが、この映画は明らかに製作者の確信に満ちた悪意という点で、世の“カルト映画”とは一線を画す。唯一共通点を挙げるとすれば、『儲ける気は一切なし』という点だけだろう。因みにこれが宣伝用の映像。…ひどい。



この愛すべきゲテモノ映画を製作したのは“オインゴ・ボインゴ”という音楽集団を主宰していたカウフマン兄弟。”儲ける気なし”と書いたものの、この作品を監督したリ兄チャード・カウフマン監督はその後、メジャーで2作品を制作したり、このフォービデン・ゾーンもDVD化されたり、DVD化記念のレイトショーでは長蛇の列ができたりと、意外にも現役でご活躍されているようで。さらに驚きなのは、前編を通じて流れる音楽を担当している、監督実弟のチャーリー・エルフマンはその後、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』『シザーハンズ』『バットマン』『スパイダーマン』『ビッグフィッシュ』『チャーリーとチョコレート工場』等の音楽監督を務め、3度もアカデミーにノミネートされているとのこと。実は今や、かなりのビッグネーム。


 


かなり取り留めなくなってしまったのだが、話は深夜の映画館に戻る。フォービデン・ゾーンの上映中、手をたたいて喜んでいた僕と10代の大半を共に浪費した友人Mは、周囲から見たら相当に気持ちの悪い奴らだったと思う。そんなわけで、フォービデン・ゾーン終了時の客席は、僕らを含めて、5人ほどになっていた。


その後、ラストの1本『エル・トポ』で至福の時を過ごし、映画館を出た我々を迎えたのは悪意の薄れた繁華街の朝焼けと、生ゴミの匂いだった。極めつけの無意味バカ映画(フォービデン)と、崇高な哲学とエンターテイメント性を併せ持った奇跡の名画(エル・トポ)のコンボは、夜中に勢いだけで書いたラブレターを明け方に読み返した時にも似て、思い上がった10代の二人を黙らせるには十分過ぎた。


その後、駅前の吉野家で朝定食を食べながら『あんなモノ見てしまったら、もう戻れないな、俺達。』と、Mが言った。『どこにだよ?』と突っ込む気力すら湧かない僕は、アガリをすすりながら『・・・だな。』と言った(気がする)。

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