最近Youtubeネタのサルベージばかり。
![]() | 架空の町 J.L. ボルヘス、チェスタトン 他 (1997/12) 国書刊行会 この商品の詳細を見る |
国書刊行会から刊行されいている『書物の王国』シリーズで刊行されている『架空の町』を読む。このシリーズは、『人形』『鉱物』『植物』など、テーマを定めて古今東西、古典から近代文学まで広い範囲でテーマにあった良質の短編をまとめている。今回読んだ『架空の町』も、第一編から『武陵桃林』(桃源郷の物語の元)で、いきなり引き込まれる。桃源郷の話って、皆知ってる有名な話だけど、原点となっているのはこの『武陵桃林』で、ものすごくあっさりとドキュメントタッチで書かれている短い物語(というより、日記)だってことは知られていない気がする。その他にもH.Pラヴクラフトやボルヘスといったこの手の奇想物アンソロジーではおなじみの大御所から、萩原朔太郎の『猫町』や、『虚無への供物』の中井英夫、つげ義春や泉鏡花までフォローの範囲は驚くほど広くて楽しい。やっぱり泉鏡花は狂ってていいなぁ。
で、話はかわるが、この『架空の町』という言葉自体が、とても魅力的なんだが、僕も時折この架空の町へ行くことがある。架空の町のラーメン屋へ。そしてその店が出す澄んだスープの醤油ラーメンがめっぽう旨い。日は完全に没しているんだが、日の名残であたりはうっすらと青い。ぽつぽつと街灯が頼りなくつき始めた路地を進み、何だかよくわからない機械(オーブンのようなもの)を売っている古い店の角を右に折れると、はたしてそのラーメン屋はひそりと開店している。しかしラーメン屋というにしては、その店はあまりに頼りない。袋小路になった板葺きの家屋と家屋の隙間を使って、毎晩勝手に(?)開店しているようなのだ。五脚ほどの椅子と小さなカウンターに控えめな提灯。人家の隙間でそれを広げているだけなので、当然屋根もない。その店はいついっても数人の先客がいて、静かに麺を啜っている。
と、まぁ、勿論これはよく見る夢の話なんですが、腹が減った状態で寝ると見るんでしょうね、おそらく。なぜだか定期的に見る夢で、しかも毎回同じ町なので、いまや架空の町の地図がかけるくらいです。夢には色も味も匂いもないなんていいますが、あれは嘘ですね。・・・と、人の夢の話を聞くくらい退屈なことはない・・・と、どこかで読んだ気がするので、夢の話はこのへんにして、違った意味で夢のようなラーメン屋があります。いや、正確にいうと夢に見そうなラーメン屋というか・・・。
http://nagoya.cool.ne.jp/gami1/
ラーメンの写真をリンクで貼りたいところですが、なんだかいろいろありそうで、怖いのでやめておきます。一番下の写真を見ていただきたい。ラーメンにウドンミックス・・・。具にちくわとキャベツ。。深夜の2時から5時までしか営業していない・・・。全国にカルトラーメン屋は多々あれど、これぞカルトの王者というに相応しいですよ。で、実は、昔ここに行ったことがありまして、当時はまだネットなんつーモノどころか携帯もない時代でしたから、本当に探すのが難しかった記憶があります。そもそも記憶なくしそうなラーメンでしたけどね。入ったらなぜか会社四季報が山済みしてあって、店主から株のお話を聞きながらラーメンを啜りました。あれからだいぶ経つので、夢だったのかも・・・と、思い始めていたのですが、調べたらそうでもなかったんで、ちょっと嬉しかった次第です。
本谷有希子さんの『江利子と絶対』を読了。日曜の午後、3時間弱で読めました。この人は『劇団、本谷有希子』の主催者で脚本・演出をされていて、舞台を見た友人から、かなり良かったと聞いていたので、買い置きしてあった次第です。で、感想はというと・・・いろんな意味で興味深かったです。

江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)
本谷 有希子 (2007/08/11)
講談社
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話はかわりますが、漫画家の山本直樹という人は、おそらく一般的には映画化された『ぼくらはみんな生きている』や、『ありがとう』なんかが有名だと思うけど、この人はこれら長編より、短編の方が圧倒的にクオリティが高い。文学の世界で言う短編の名手というに相応しい人だと思っています。というより、むしろ長編は苦手なんじゃないだろうか。近作の『ビリーバーズ』は中編(上下巻)ですが、そのくらいまでの尺の作品での、ストーリーの持っていき方や飛び方、仕掛けの面白さは抜群です。そのテイストの面白さの秘密は、おそらく文学や映画、演劇的手法を漫画に持ち込んでいることだろうと、かねがね思っていました。どのくらいかねがねかというと、まだ山本直樹氏が『森山塔』名義でいわゆる“成人漫画”を量産されていた頃からです(20年くらい前)。なにしろ成人漫画だから、主題はもちろん“エロ”なんですが、にもかかわらず、『ホテル・ニューハンプシャー』や『ガープの世界』のジョン・アービングや、『スローターハウス5』や『猫のゆりかご』のカート・ヴォネガット・ジュニア的なテイストであったり、引用があったりと、当時、そのあたりが気になって読んでても“エロ”どころではありませんでしたよ(笑)。研究所の爆発で母を亡くした姉弟が、空を飛ぶヘリを見上げて『あれは、ヘリコプターじゃない。ヘリコプターに姿を変えたお母さんなんだ。』とか(若干違うかも)。
話は逸れましたが、本谷さんの『江利子と絶対』を読み終え、一番に感じたのは『この人はとっても山本直樹に影響を受けているな』です。もう、話の持っていき方、キャラクター作り、そこでおきる事件の随所に山本テイストが。とすると、本谷さんがアーヴィングやボネガットの影響下にあるのではという話なんですが、そうではなく、やはり山本直樹の影響下としか思えない。文学が漫画に影響を与え、漫画が文学に影響を与える。こういうと、批判がましく聞こえますが、僕はそれはすばらしいことだと思うんですけどね。漫画より文学の方が“高級”だと思っている人が言えば、批判なんでしょうけどね。結論としては、単純に面白かったので他の作品も読んでみようと思います。と、ここまで書いて、上のリンクをするためにAmazonで本谷さんの作品を検索したら・・・
なんと、山本直樹氏がカバー絵を(笑)。確信犯だったわけですな。

BLUE
山本 直樹 (2006/07/20)
太田出版
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山本直樹氏の初期短編集(復刻版)にして、全国初の有害図書指定を受けたことでも有名なこの『BLUE』の表題作の中で、盗難車で逃避行をする高校生の男女が、トレーシーチャップマンの『Fast Car』がカーステレオから流れる中で会話をするシーンは、何度読んでも鳥肌が立ちます。話ているうちに、曲は『みちのく独り旅』に変わるんですけどね(笑)。
週末の6日(土)のトップランナーに森見登美彦氏が出演されます。
![]() | 四畳半神話大系 森見 登美彦 (2004/12) 太田出版 この商品の詳細を見る |
で、森見さんの男の汗の匂いの染み込んだ四畳半の世界とは関係ないですが、汗の味のソーダが発売されたそうです。他には、土味、芝生味等。僕は、芝生味くらいでいいです。
Author:masa
芦屋と京都を軸に徘徊。
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